hayashi shoya BMワンダーフォーゲル部 第26回「マジックのお花見」

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text by hayashi shoya

 

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先月末から今月の半ばにかけて、日本全国で桜が開花していました! 今年は暖冬の影響で桜前線が予測しにくくなり、お花見を開くタイミングを満開時に合わせるのが難しかったようです。皆さんは満足のいくお花見は行えたでしょうか?

 

 

一口に桜と言っても色々な種類があり、特に有名な"日本五大桜"でもそれぞれその様相は大きく異なります。

 

『三春滝桜』

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エドヒガン系のベニシダレザクラで、後述する山高神代桜、根尾谷の淡墨桜とともに日本の天然記念物に指定されました。所謂殿堂入りですね。

この三つの桜をまとめて"三大巨桜"とも呼びます。

樹齢千年以上を誇り、近くで見た時の幹の様子は圧巻の一言です。

シダレザクラ種は枝が柔らかく長いので、よく育ったものはこの三春滝桜のようにきれいな枝の垂れかたをします。

 

『山高神代桜』

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日本で最古の桜で、大正時代に国の指定する天然記念物にその記念すべき第一号として選ばれました。やはり日本と言えば桜、ということですね。

あの日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が植えたとか、13世紀頃に日蓮聖人に回復を祈られたら衰えていたこの桜が見事に再生したので「妙法桜」とも呼ばれるとか、なにやら凄いエピソードがぞろぞろと出てきます。さすが、日本最古です。

 

 

『根尾谷淡墨ザクラ』

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散る際の花びらの色が淡い墨色になる事からこの呼称がつけられました。

1948年の調査により3年以内に枯死したと判断されましたが、同じ岐阜県の医者であり、古木の再生技術に定評のあった前田利行氏により見事に復活を遂げました。

今なお樹勢の衰えは止まりませんが、樹木医などの協力で保護されています。

 

『石戸蒲ザクラ』

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東京に一番近い五大桜です。

エドヒガンとヤマザクラの自然雑種で、ソメイヨシノ種より開花が数日遅いのが特徴です。

現在の静岡県浜松市である遠江国の蒲御厨で生まれ育ったため蒲冠者と呼ばれていた源頼朝の異母弟である源範頼が石戸宿に逃げ延びたという伝説からこの名前が付けられたと言われています。

この伝説にちなみ、木の根元には範頼の墓と言われる石塔が存在しています。

 

『狩宿の下馬桜』

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花見をするついでに富士山も見える贅沢な桜がこちらの桜です。

こちらは源頼朝ご本人に関連する逸話がありまして、1193年に富士の山麓で巻狩(獲物が生息する狩場を四方から取り囲み、囲いを狭くしながら獲物たちを追い立てていく狩猟方法)を頼朝が行った際、陣屋に戻り下乗した時に乗っていた馬を繋いだ木がこの桜だった......というものです。

狩宿の下馬桜と言う通称もこの逸話からつけられたものだと言い伝えられています。

 

 

どの桜も樹齢千年前後あり、伝説的な逸話が付けられていたとしても文句がない程の立派な桜ばかりです。『神河物語』ブロックの続編が出来た時にこれらのような伝説の土地が収録されても違和感ありません。

 

さて、マジック世界での桜と言えば......

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名称というジャンルにおいてはやはり《桜族の長老》が一番に出てきますが、桜感は全くありません。他には《桜族の斥候》《桜族の春呼び》があります。

 

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ワンチャンスと思って春と名の付くカードで調べてみましたが、これらにも桜は写っていません。

マジックというゲームに桜はあまり似合わないと言う判断なのでしょうか?

 

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あ、こんなところにJohn Avon氏が描いた吉野山の千本桜プレイマットが!・・・この終わらせ方は前回似たような事をしたのであまり好ましくありません。

このイラスト自体は最高なんですけどね。

しかし、本当に"桜の木"がそのまま描かれているイラストというものは無さそうです。このままではここまで書いた文章を全てリセットするはめになってしまう・・・せめて桜のはなびらっぽいものだけでも描かれている物があれば......

 

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あるにはあるけど・・・本当に良いのか?

桜にとってのイモムシは葉っぱや幹を食い荒らす害虫です。確かにそういう意味では関連性はありますし、イモムシの能力的にもなんとなくあってます。

しかし、害虫で文を〆てしまうのはあまりにも忍びない。まだ隠されたカードがあるはず!

《苛性イモムシ》はオリジンのカードですが、背景世界的にはカラデシュ次元に属します。つまり、よく探せばカラデシュか霊気紛争にそれっぽいカードがある・・・?

 

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どうでしょうか。

花びらが舞い散るイラストも《祝祭の開幕》というカード名も、何となく花見らしさがあります。

まさか機械技術が発展しているカラデシュで桜らしさを見つけることが出来るとは思ってもいませんでした。この次元は造形美を大事にしています。ゆえに、動植物を愛する心が他の次元と比べても高いのかもしれません。

 

技術の発展に傾倒しすぎる事無く、自然を楽しむ気持ちも持つカラデシュ人。最近の背景世界の流れに乗じず目に見えていた悪も打倒されましたし、現実世界にあれば寄ってみたい場所だと感じました。三輪車じゃない楕円競争とか見てみたいですよね。

 

 

もうすでに5月になろうかという時期ですが、まだ花見をできる地域はあります!

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主にこの辺りです(編:どこやねん)

北海道は5月過ぎに満開になるそうです。北の祝祭はまだ開幕すらしていません、お花見日和は終わらない!

 

今年そういえばお花見してないな、心残りだなぁという方は、北海道へGO!